以前、古いセイコー製のゼンマイ式時計を分解洗浄しましたが、今回はあらたにリズム時計製の柱時計を分解洗浄してみました。
基本的構造は一緒なのでしょうが部品の形や数がセイコーのものとは異なっていました。
今回分解した時計は
今回分解洗浄する柱時計は、RHYTHM(リズム)製の30日巻きタイプ柱時計です。
製造年度や型番などはわかりませんでした。
ケースから機械をはずします
針・文字盤・カレンダーをはずす
機械をケースから取り外すとき障害になる針・文字盤・カレンダーを順にはずします。
ネジを緩め針を外しました。
次に四隅のネジをはずし文字盤を外します。
文字盤が外れました。
次にカレンダーを外しますが、赤丸で囲った部品で機械とつながっていますのであわせて外してしまいます。
カレンダーを外しました。
機械の左右に見える6本のネジをはずせばケーズから取り外すことができます。
機械をケースからはずす
ケースから取り出された機械です。
画像ではあまり汚れているように見えませんが油などがはみ出ていますし、ゼンマイも戻り切った状態になっています。
今回はこの機械を分解・洗浄します。
機械を分解します
ペンチや小さなスパナを使用すれば分解することができますが、今回はナットドライバーを使用しました。
下のようなものが一つあると重宝するかもしれません。
ゼンマイ残量パーツをはずす
最初に作業中変形してしまう心配があるゼンマイの巻き残量を示すパーツを外します。
赤丸内のナットとピンを外せば簡単に取り外すことができます。
取り除いた後の機械本体です。
振り子まわりの処理をする
振り子を吊るしていた部品をはずします。
留め具を少し広げて外しますが、この部品(特にプレートの部分)を破損してしまうと時計が正常に動かなくなりますので、損傷しないよう慎重にはずします。
赤丸内の留め具をペンチなどで少し広げ、心棒をスライドさせて抜き取ります。
ここでの処理が済んだ状態です。
ゼンマイの処理をする
ゼンマイが急激にもどることで部品がはじけ破損したりけがをしたりする恐れがありますので、分解する前には必ず処理をする必要があります。今回も針金を使い入念に処理しました。
ゼンマイに針金を巻く
まずは針金で固定できるようゼンマイを巻き小さくします。
左右共に針金でしっかり固定します。もし切れてしまったりすると大変ですので入念に縛ります。
ゼンマイを緩める
まず赤丸内にあるばねをゼンマイのロックから外します。
画像のようにゼンマイの心棒に巻きカギをさしその上からゼンマイ戻しをさします。
この状態でゼンマイを半回転ほど巻くとロックが外れるので、ゼンマイ戻しを握る力を調節してゼンマイを緩めます。
部分を歯車などの部分をはずす
ゼンマイの処理が終われば解体は最終段階。残った部品の取り外しです。
時針を取り付ける歯車やカレンダーを動かす部品を取り外し、1枚目のプレート・ゼンマイまで外します。
注意点は以下の2点です。
①プレートを外す前にゼンマイにピンで固定された部品を外します。
②時針を取り付ける歯車を外すためには隣の部品を外す必要があります。
1つずつ作業しゼンマイまで取り外すことができました。
1枚目のプレートを外したことで取り外せた部品です。
歯車がすべて露出のでこれらをすべて取り外して分解は終了です。
部品を洗浄します
分解が終了したら部品を洗浄します。
まず、地板を余裕をもって入れられるサイズの容器にホワイトガソリンを入れ各部品を浸し、ブラシを使い一つ一つ磨いていきます。
ほぞ穴の汚れは後々トラブルの原因になりますので、少し面倒ですがつまようじを利用して一か所ずつ念入りに掃除します。
チェックして組み立てます
各部品をチェックする
洗浄が終わったらまずチェックをします。
各部品の汚れはもちろん、セクションごとに部品を組んでみて歯車がかみ合っているか、ほぞ穴に汚れなどなくスムーズに回転するかなど確認します。
針を動かず側
音を鳴らす側
機械を再度組み立てる
チェックして問題がなければ最後は組み立てです。完成まで一気に進めます。
下の3か所は最終段階で少し悩んだわかりずらい箇所です。
時報を打つ部品のばね
時報に関連した部品
プレートに取り付けたばね
すべて収まったところで心棒の部分に油をさしゼンマイに油を塗って一段落。あとはケースに戻すだけです。
見ずらいのですが、ケースに戻しカレンダー部品とつないだ画像です。
完成
最後に文字盤を取り付け、時報が合うように位置を調整しながら針を取り付ければ完成です。
半日ほどかかりましたが無事終了しました。
もしゼンマイ戻しなど工具がそろうようでしたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
次はシチズン製に挑戦してみようと思います。