代表的な育毛成分の「センブリエキス」と「グリチルリチン酸ジカリウム」についてしらべてみた

育毛に有効であるといわれる代表的成分に「センブリエキス」と「グリチルリチン酸ジカリウム」の2つがあります。
育毛剤や育毛シャンプーなどに広く使われている成分ですが一体どんなものなのでしょう?
今回は「センブリエキス」と「グリチルリチン酸ジカリウム」についてしらべてみました。

センブリエキス

センブリエキスとは、リンドウ科センブリ属に分類される二年草のセンブリからアルコールなどで抽出したエキスです。


センブリ
(学名: Swertia japonica)リンドウ科:センブリ属リンドウ目

中国、朝鮮半島、日本では関東地方以西に広く分布する2年草植物で、生薬名を当薬(トウヤク)といいます。
丘陵地やマツ林などの日当たりが良くやや湿った草地に生育し、夏から秋にかけて画像のような白い花を咲かせます。


センブリは最も苦い生薬といわれるほど非常に苦味が強く、煎じて千回振っても苦みが抜けないことから千振(⇒センブリ)と名付けられたとのことです。
漢方ではトウヤク(当薬)という生薬名で親しまれ、胃を刺激して血行を良くすることから古来より胃の調子を整える薬として使われてきました。

センブリエキスの利用方法

センブリエキスは、その苦みが唾液や胃液、胆汁などの分泌を促進するとされるため、胃痛や胸やけ、食欲不振、消化不良などに効く胃薬や整腸剤として幅広く利用されています。
また、加齢疾患の多くに関係していることがわかってきた毛細血管の血流不足によるゴースト血管化を防ぎ改善する働きが期待されています。

ゴースト血管
毛細血管は血液が流れ続けることで健康な状態をキープしていますが、なんらかの原因で血液がその末端まで届かなくなることがあります。
その結果、最終的に血流が途絶えて消えた毛細血管を「ゴースト血管」といいます。

センブリエキスの効果

センブリエキスには、毛細血管のゴースト血管化を防ぎ改善する働きが期待されているように血行をよくすることが知られています。
そのことから、頭皮の血行促進や細胞分裂の活性化皮膚細胞の代謝改善などに作用する、発毛促進効果や脱毛予防効果などに有効な成分として考えられています。

グリチルリチン酸ジカリウム

グリチルリチン酸ジカリウムはマメ科の多年生植物である甘草(カンゾウ)の主要成分です。


カンゾウ
(学名:Glycyrrhiza)マメ科:マメ亜科:マメ目

地中海地方やシベリア南部、中国などの乾燥した土地に自生する多年生植物です。
日本でも栽培されていますが、グリチルリチン抽出のために使用するほとんどは海外からの輸入品に頼っているようです。


カンゾウは漢字で「甘草」と書く通り甘味成分があり、甘味料として調味料やお菓子等に配合され使われています。
また、カンゾウの甘味成分であるグリチルリチン酸は昔から世界各地で薬用に使われてきました。
グリチルリチン酸ジカリウムは、グリチルリチン酸が水に溶けやすくなるようカリウム塩を付加したもので、炎症を抑える作用があることが知られています。

グリチルリチン酸ジカリウムの利用方法

グリチルリチン酸ジカリウムにはすぐれた抗炎症作用や抗アレルギー作用があるため、一般用医薬品として以下のように幅広く利用されています。

  • のどのはれや痛みを緩和する ⇒ かぜ薬・トローチなど
  • 鼻粘膜や胃粘膜の炎症を緩和する ⇒ 鼻炎薬・胃腸薬など
  • 目の炎症を緩和する ⇒ 点眼薬など
医薬品以外にもシャンプーやスキンケア製品、歯みがきなど、様々な商品の成分として利用されています。

グリチルリチン酸ジカリウムの発毛効果

頭皮は皮脂が過剰分泌されたり反対に乾燥したりすることによって炎症を起こしやすくなります。
グリチルリチン酸ジカリウムには炎症やアレルギーを抑える働きがあるため、頭皮の炎症を抑え髪の健康のために大切な頭皮環境を整えることができます

さいごに

今回は女性用育毛剤などに多く使われている「センブリエキス」と「グリチルリチン酸ジカリウム」の2つの有効成分について、その特徴や作用を確認してみました。
どちらも植物由来の成分ということで安心して使えるものでありながら、健やかな頭皮環境を保ち発毛促進や脱毛予防の効果が期待できるようですので、これから育毛剤や育毛シャンプーを試してみようと考えている方はこれらの成分が含まれているかどうかも気にしてみてはいかがでしょう?

 

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