令和6年8月1日以降の求職者給付の基本手当(失業手当)日額をしらべてみた

今年も例年同様「雇用保険の求職者給付の基本手当（失業手当）額」が改訂され8月1日から適用されました。
令和5年に比べやや増額されたようですが、実際どのくらい受け取れるのかをしらべてみました。

求職者給付の基本手当（失業手当）
算定基準（賃金日額）と基本手当日額の上限・下限
1. 年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額の上限額
2. 全年齢の賃金日額・基本手当日額の下限額
基本手当日額の計算方法
さいごに

求職者給付の基本手当（失業手当）

求職者給付の基本手当は、雇用保険の被保険者が離職した際に、労働の意思及び能力があるにもかかわらず職に就くことのできない状態にある場合に支給されるものです。

算定基準（賃金日額）と基本手当日額の上限・下限

基本手当の算定では離職日直前の6か月間に受け取った賃金の総額が基準となりますが、その額には上限と下限が設定してあります。

基本手当は離職前に高額な給与を支給されていたとしても定められた上限額を超えた時点で一律になり、反対に期間中の給与支給額が低かった場合でも下限額以下になることはありません。

年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額の上限額

離職時の年齢	賃金日額の上限	基本手当日額の上限額
～29歳	14,130円	7,065円
30歳～44歳	15,690円	7,845円
45歳～59歳	17,270円	8,635円
60歳～64歳	16,490円	7,420円

全年齢の賃金日額・基本手当日額の下限額

離職時の年齢	賃金日額の下限額	基本手当日額の下限額
全年齢	2,869円	2,295円

賃金日額とは
離職した日の直前の6か月間に毎月決まって支払われた金額から算出した金額で、一般的に以下の方法で計算します。
[賃金日額] ＝ [離職日直前の6か月間に受取った賃金の総額] ÷ 180
※受取った賃金には、基本給のほかに営業手当や家族手当、通勤手当、残業手当など毎月支払われていた手当は含まれますが、インセンティブや一時金など含まれないものもありますので確認が必要です。

基本手当日額の計算方法

基本手当日額は賃金日額に給付率をかけた額になりますが、賃金日額が一定範囲の場合に限り別途定めた計算式で求めます。
また、離職した時の年齢によって基本手当日額の上限が異なります。

離職時の年齢が29歳以下・65歳以上（高年齢求職者給付金）

賃金日額	給付率	基本手当日額
2,869円以上 5,200円未満	80％	2,295円～4,159円
5,200円以上 12,790円以下	80％～50％	4,160円～6,395円
12,790円超 14,130円以下	50％	6,395円～7,065円
14,130円超	－	7,065円（上限額）

賃金日額が〈5,200円以上12,790円以下〉の場合の計算方法
[基本手当日額] ＝ [賃金日額] × 0.8 －｛（ [賃金日額]－5200 ）÷ 7590｝× 0.3 × [賃金日額]
例）23歳で離職し直前の給与が月平均120,000円だった場合
[賃金日額] = 120000 × 6 ÷ 180 ＝ 4000
[基本手当日額] ＝ 4000 × 0.8 = 3200

離職時の年齢が30歳～44歳

賃金日額	給付率	基本手当日額
2,869円以上 5,200円未満	80％	2,295円～4,159円
5,200円以上 12,790円以下	80％～50％	4,160円～6,395円
12,790円超 15,690円以下	50％	6,395円～7,845円
15,690円超	－	7,845円（上限額）

賃金日額が〈5,030円以上12,380円以下〉の場合の計算方法
[基本手当日額] ＝ [賃金日額] × 0.8 －｛（ [賃金日額]－5200 ）÷ 7590｝× 0.3 × [賃金日額]
例）30歳で離職し直前の給与が月平均240,000円だった場合
[賃金日額] = 240000 × 6 ÷ 180 ＝ 8000
[基本手当日額] ＝ 8000 × 0.8 －｛（ 8000－5200 ）÷ 7590 ｝× 0.3 × 8000 = 5515

離職時の年齢が44歳～59歳

賃金日額	給付率	基本手当日額
2,869円以上 5,200円未満	80％	2,295円～4,159円
5,200円以上 12,790円以下	80％～50％	4,160円～6,395円
12,790円超 17,270円以下	50％	6,395円～8,635円
17,270円超	－	8,635円（上限額）

賃金日額が〈5,200円以上12,790円以下〉の場合の計算方法
[基本手当日額] ＝ [賃金日額] × 0.8 －｛（ [賃金日額]－5200 ）÷ 7590｝× 0.3 × [賃金日額]
例）50歳で離職し直前の給与が月平均540,000円だった場合
[賃金日額] = 540000 × 6 ÷ 180 ＝ 18000
[基本手当日額] ＝ 8635 （賃金日額が上限を超えているため）

離職時の年齢が60歳～64歳

賃金日額	給付率	基本手当日額
2,869円以上 5,200円未満	80％	2,295円～4,159円
5,200円以上 11,490円以下	80％～45％	4,160円～5,170円
11,490円超 16,490円以下	45％	5,170円～7,420円
16,490円超	－	7,420円（上限額）

賃金日額が〈5,200円以上11,490円以下〉の場合の計算方法
[基本手当日額] ＝ [賃金日額] × 0.8 －｛（ [賃金日額]－5200 ）÷ 6290｝× 0.35 × [賃金日額]
または　＝ [賃金日額] × 0.05 + 4596 のいずれか低いほうの額
例）60歳で離職し直前の給与が月平均540,000円だった場合
[賃金日額] = 540000 × 6 ÷ 180 ＝ 18000
[基本手当日額] ＝ 7420 （賃金日額が上限を超えているため）