何らかの理由で退職した時、最初に考えることの一つが健康保険の手続きです。
多くの場合「健康保険任意継続」か「国民健康保険」のどちらかを選択するようですが、条件があえば「国民健康保険」には保険料負担を減らせる可能性があります。
今回は「健康保険任意継続」よりも保険料を安く抑えることができるかもしれない「非自発的失業者の国民健康保険料軽減制度」についてしらべてみました。
国民健康保険料の軽減制度とは
勤務先の倒産やリストラなど会社の都合によって失業(離職)した非自発的失業者に対しては「非自発的失業者の国民健康保険料軽減制度」が適用されます。
この制度では、国民健康保険料の算出基準である前年所得のうち給与所得を100分の30として算定するため国民健康保険料を大幅に減らすことができるようです。
軽減を受けるための条件
国民健康保険料の軽減制度を利用できる条件は以下のとおりです。
〈参考〉雇用保険受給資格者証の離職理由・コード
特定受給資格者 11,12,21,22,31,32
特定理由資格者 23,33,34
・離職日時点で65歳未満であること
軽減される額
軽減の対象になると認められた場合、前年の給与所得を100分の30として算定した金額で国民健康保険料を算出します。
住所地の市区町村役場担当窓口で試算してもらえるので、おおよその金額を知りたい場合は問い合わせてみるとよいでしょう。
軽減を受けられる期間
軽減の適用期間は「離職した翌日の属する月からその月の属する年度の翌年度末まで」となります。一年度は4月1日から3月31日ですので、期間は下記のとおりです。
ただし、期間中に就職し勤務先の健康保険に加入するなど国保を脱退することで軽減期間は終了となります。
退職日が3月31日から12月30日の場合 翌翌年の3月31日まで
軽減手続きの方法
国民健康保険料の軽減手続きは市区町村の担当窓口で行います。
この時「雇用保険受給資格者証」が必要になりますので、まずはハローワークで失業手当の給付申請手続きをする必要があります。
手続きに必要な書類は以下のとおりです。
・雇用保険受給資格者証の原本
・国民健康保険証
・運転免許証など本人を証明する書類
申請書は窓口に用意されていますので事前に用意する必要はありませんが、自治体によってはマイナンバーカードが必要な場合もあるようですので事前に確認が必要かもしれません。
保険料は後日送られてくる納入通知書で支払います。
さいごに
今回は「非自発的失業者の国民健康保険料軽減制度」についてしらべてみました。
突然退職を勧奨されたり解雇や雇止めになってしまった場合、次の仕事が見つかるまでの経済的負担はできるだけ軽くしたいものです。
もし万が一そんなことになった時には、すこしでも有利な手続きができるように「健康保険任意継続」と「国民健康保険」の保険料を試算する必要があることがわかりました。