都道府県ごとに違うこどもの医療費助成をくらべてみた

中国地方から引っ越されてきた方が子供の医療費について話をしていました。
「中学生のお子さんの病院代がかからなくなって助かっている」と。
当たり前のことで全く考えることもなかった子供の医療費助成制度ですが、地域によってずいぶんその内容は異なるということを知り、どれだけ違うのかくらべてみました。

子供に対する医療費助成は全国共通じゃない

国民健康保険や職場の健康保険に加入していれば、扶養している子供の医療費自己負担額は6歳までの未就学児は2割、小学校入学以降は3割となっています。
この自己負担分を市区町村役場が助成してくれるシステムが「子供に対する医療費助成」で、子育て中の世帯にとってはとても助かる制度です。
ところがこの制度、住んでいる市区町村によってその内容が大きく違ってくるようです。
助成対象となるのは「入院費」「通院費」「薬剤費」「歯科治療費」などですが、その範囲は全国一律ではありません。
さらに対象範囲だけではなく対象となる年齢もそれぞれ異なりますし、全額補助してくれる自治体もあれば一部自己負担が必要になるところもあるといった違いもあるようです。
また、多くの市区町村では保護者の所得により制限がかかりますが、そのような制限が無いところもありました。

地域ごとの子供に対する医療費助成を比較

今回、全国47都道府県庁所在地の該当ホームページを検索し、その内容の中から助成期間と自己負担の有無についてくらべてみました。
対象自治体を6つの地区に分けその傾向を見てみたいと思います。

北海道・東北地方

この地方では、18歳まで一部自己負担なしで助成が受けられる福島市の制度が目立ちます。
その他はおおむね中学校卒業までが助成期間になっており、青森市と秋田市、山形市は助成期間中一部自己負担がありません。
ただし、他の一部自己負担が必要な市も「乳幼児は一部自己負担なし」などといった具合に年齢を区切った独自の負担ルールを作っているところが多いようです。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
北海道 札幌市 小学校修了まで 中学校卒業まで あり
青森県 青森市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
岩手県 盛岡市 小学校修了まで 小学校修了まで あり
宮城県 仙台市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
秋田県 秋田市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
山形県 山形市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
福島県 福島市 18歳まで 18歳まで なし

関東地方

この地方では北関東3県の保障の手厚さが目立ちます。
茨城県の水戸市は令和2年から通院の助成が、栃木県宇都宮市は令和3年から通院と入院の助成がこれまでの中学卒業までから高校卒業相当(18歳)までに延長されました。
また、群馬県前橋市も令和3年から入院に限って助成が18歳までに延長されました。
その他の都県も中学校卒業まで助成があり、医療費の面では他の地方に比べると子育て世代にやさしい地域だといえそうです。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
茨城県 水戸市 18歳まで 18歳まで あり
栃木県 宇都宮市 18歳まで 18歳まで なし
群馬県 前橋市 中学校卒業まで 18歳まで なし
埼玉県 さいたま市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
千葉県 千葉市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
東京都 新宿区 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
神奈川県 横浜市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり

中部地方

新潟市と静岡市は通院・入院共に18歳まで一部自己負担することで助成があります。
名古屋市は、通院に対しての助成は中学校卒業までですが入院は令和2年から18歳まで一部自己負担なしで助成されるようになりました。
その他は一律中学卒業までとなっていますが、富山市・甲府市・岐阜市・津市の4市は助成対象年齢期間中一部自己負担する必要がありません。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
新潟県 新潟市 18歳まで 18歳まで あり
富山県 富山市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
石川県 金沢市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
福井県 福井市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
山梨県 甲府市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
長野県 長野市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
岐阜県 岐阜市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
静岡県 静岡市 18歳まで 18歳まで あり
愛知県 名古屋市 中学校卒業まで 18歳まで なし
三重県 津市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし

近畿地方

この地方は、和歌山市を除いてすべて一部自己負担する必要があるようです。
対象年齢については、18歳まで助成がある大阪市と小学校修了までしか助成がない大津市のようにサービスに少し開きがあります。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
滋賀県 大津市 小学校修了まで 小学校修了まで あり
京都府 京都市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
大阪府 大阪市 18歳まで 18歳まで あり
兵庫県 神戸市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
奈良県 奈良市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
和歌山県 和歌山市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし

中国・四国地方

この地方は、これまで見てきた地域と大きく変わり通院の助成期間を小学校までとしている自治体が多いようです。
通院の助成が中学校入学前に終了となるのは5つの市で、特に広島市では小学3年生までの助成となっています。
また、高知市では入院に対する助成も小学校で終了してしまいます。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
鳥取県 鳥取市 18歳まで 18歳まで あり
島根県 松江市 小学校修了まで 中学校卒業まで なし
岡山県 岡山市 小学校修了まで 中学校卒業まで あり
広島県 広島市 小学校3年生まで 中学校卒業まで あり
山口県 山口市 小学校修了まで 中学校卒業まで なし
徳島県 徳島市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
香川県 高松市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
愛媛県 松山市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
高知県 高知市 小学校修了まで 小学校修了まで なし

九州・沖縄地方

中国・四国地方と同じく小学校入学までを通院費用助成期間としている自治体がいくつかありますが、その数は年々改善され減ってきているようです。
鹿児島市では令和3年から制度が改善され18歳まで助成期間が延びました。

都道府県庁所在地 助成期間 一部自己負担
通院 入院
福岡県 福岡市 中学卒業まで 中学校卒業まで あり
佐賀県 佐賀市 小学校修了まで 中学校卒業まで あり
長崎県 長崎市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
熊本県 熊本市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
大分県 大分市 中学校卒業まで 中学校卒業まで なし
宮崎県 宮崎市 中学校卒業まで 中学校卒業まで あり
鹿児島県 鹿児島市 18歳まで 18歳まで あり
沖縄県 那覇市 小学校入学前まで 中学校卒業まで なし

さいごに

今回各地の制度を調べることでその傾向が少しわかりました。
冬の気圧配置を表す言葉を参考にすると、子供に対する医療費補助は「東高西低」になっているように感じます。
また同じ都道府県内であっても市区町村によりその制度に差があったりするようですので、子育て世代の方にとってはそういった部分も居住地域選択の要素になるのかもしれません。
将来的にはこういったことが広く認知され、声を上げる人が増えることによりその差がなくなっていくことを望みたいと思います。

この記事の情報は執筆時の各市区町村HP記載情報を参考にしています。
内容は年々改善されているようですので、あくまでも参考程度にご覧いただき、最終的にはお住まいの市区町村の最新情報をご確認ください。
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