退職した翌年に納付する住民税についてしらべてみた

「国民健康保険」や「国民年金」には失業期間中の優遇制度がありますが、税金にはそのようなシステムはありません。求職中で無職の人間にも容赦なく納税通知書は送られてきます。
今回は退職した翌年に納付する住民税についてしらべてみました。

納税通知書

桜の時期を過ぎ役所での年度が変わると同時に、「固定資産税」「自動車税」「住民税」と納税通知書が次々に届きます。
「固定資産税」と「自動車税」の通知書はこれまでと変わらずですが、退職すると再就職していない限り「住民税」の支払通知が届くようになります。

給与から自動的に引かれていたころは税額をそれほど気にすることはありませんでしたが、届いた通知書の一括納付額を見て結構多く払っていたことを認識しました。

 

住民税とは

住民税とは都道府県に納める『都道府県民税』と市町村に納める『市区町村民税』を合わせたもので、地方公共団体が徴収する地方税です。
その年の1月1日時点の住所地に納める義務があり、前年の所得に応じて計算される「所得割」と一律に課税される「均等割」があります

令和6年度(2024年)から国内に住所のある個人に対して森林環境税(国税:1人年額1,000円)が個人住民税均等割と併せて徴収されるようになりました。

 

住民税の仕組み

住民税は後になって払う税金です。
「所得割」の部分は前年の所得に応じて計算されるため、仮にその年の収入が0であったとしても納税しなければなりません

住民税の「所得割」の部分は前年の所得に応じて計算されるため、退職した次の年は収入が大幅に減っていたとしても大きな額の納税通知書が届くことがあります。
退職した年の所得が多かったり年の終盤になって退職した場合などは、翌年の住民税のことを念頭に準備をしておいたほうがいいかもしれません。

 

住民税の納付方法と税率

住民税には2種類の徴収方法があります。
原則、給与所得者は「特別徴収」給与所得のない場合は「普通徴収」という方法で納税することになります。

特別徴収

前年の所得に対して住民税が計算され、6月から翌年5月まで12分割して給与から引かれる徴収方法です。

普通徴収

自宅に送られてくる納付書を使い本人が直接納付する徴収方法です。
4回に分けて税額の1/4ずつを納付するか1年分を一括で納付するかを選択することができます。

退職した年の住民税納付方法
退職した年の住民税は退職の時期により納付方法が少し変わります。
  • 退職が1月から5月⇒「一括徴収」
    未納分(当年5月までの分)が給与か退職金からまとめて差し引かれます。
  • 退職が6月から12月⇒「普通徴収」または「一括徴収」
    退職翌月分からは普通徴収に切り替えて送られてくる納付書を使い本人が直接納付するか、会社に依頼し未納分(翌年5月までの分)を退職金などから一括で支払うかを選択できます。
    また、既に転職先が決まっている場合は両方の会社で届出書を出すことで特別徴収を継続することもできます。

※退職金に係る住民税は退職金から引かれます。

住民税の税率

住民税には「標準税率」というものがあります。
下表の所得割の部分が前年所得により計算される部分になります。

標準税率 森林環境税 都道府県民税 区市町村民税 合 計
所得割 4% 6% 10%
均等割 1,000円 1,000円 3,000円 5,000円
令和6年度(2024年)から国内に住所のある個人に対して森林環境税(国税:1人年額1,000円)が個人住民税均等割と併せて徴収されるようになりました
必要があると認められる場合各自治体は条例により標準税率とは異なる税率を設定できるため、所得割の税率や均等割の税額は市区町村により異なる場合があります。
詳しくは住所地の公式サイトなどで確認ください。

 

退職翌年に納める住民税は?

今回しらべてみた「退職した翌年に納める住民税は以下の金額の合計になることがわかりました。

  • 所得割額
    区市町村民税=【退職した年の所得-各種控除額】×6%
    都道府県民税=【退職した年の所得-各種控除額】×4%
  • 均等割額
    区市町村民税=3,000円
    都道府県民税=1,000円
    森林環境税 =1,000円
住民税額をシュミレーションできるサイトもあるようですので、退職時に受け取る「源泉徴収票」に記載されている金額を使って計算してみてもいいかもしれません。

 

さいごに

今回は退職した翌年の住民税についてしらべてみました。
給与天引きだったときはあまり気にしていないことが多いようで退職後に届く通知を見て驚いたという人がとても多いようです。
あらかじめ予定し準備しておくけば、納税通知書が来てから慌てないようにすることができるでしょう。

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