記事内には広告が含まれています。

退職代行はどこがいい?民間・労働組合・弁護士のメリット・デメリットをくらべてみた

退職代行はどこがいい

「退職したいけれど、職場に言い出せない」
「上司に引き止められそうで不安」
「もう会社の人と直接話したくない」

そんなとき、本人に代わって会社に退職の意思を伝えてくれるのが退職代行サービスです。

以前は「退職くらい自分で言うもの」という考え方もありましたが、現在では退職代行という言葉そのものが広く知られるようになりました。

パーソル総合研究所が2025年に発表した調査では、正社員離職者のうち退職代行を利用した人は5.1%。また、2026年に東京商工リサーチが実施した企業調査では、2024年以降に退職代行を利用した従業員の退職を経験した企業は8.7%となっています。

ただし、退職代行ならどこに頼んでも同じというわけではありません。

退職代行には、大きく分けて

  • 民間業者
  • 労働組合系
  • 弁護士

の3つがあり、会社に対してできることの範囲が大きく違います。

そこで今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリット、料金、どんな人に向いているのかをしらべてくらべてみました。

退職代行の利用が広がっている背景

退職代行が知られるようになった背景には、職場の人間関係やハラスメント、強い引き止めなど、本人だけでは退職を切り出しにくい事情があります。

パーソル総合研究所の調査では、退職代行利用者は職場で孤立していた傾向があり、上司に不満を持つ人が約7割、上司からハラスメントを受けた経験がある人も約4割でした。

「自分から退職を伝えるのが怖い」
「退職を申し出ても認めてもらえない」
「上司と直接話すだけでも精神的につらい」

という状況では、第三者に連絡を任せること自体が大きな助けになることがあります。

なお、期間の定めのない雇用契約の場合、厚生労働省のモデル就業規則では、労働者はいつでも退職を申し出ることができ、会社の承認がなくても民法の規定により原則として申出から14日が経過すれば退職になると説明されています。

つまり、会社が単に「認めない」と言ったからといって、必ずしも退職できなくなるわけではありません。

ただし、有期雇用契約の場合や、会社との間に未払い賃金・損害賠償などのトラブルがある場合には事情が異なります。

そこで重要になるのが、どのタイプの退職代行を選ぶかです。

退職代行の3つのタイプと特徴

退職代行サービスは、大きく次の3つに分けることができます。

  • 民間業者
  • 労働組合系
  • 弁護士系

大きな違いは料金だけではありません。

特に重要なのが、会社との「交渉」ができるかどうかです。

民間業者の特徴

民間企業が運営する退職代行です。

比較的料金が安く、LINEなどで気軽に相談でき、申し込みから会社への連絡までが早いサービスが多いのが特徴です。

メリット

  • 料金が比較的安い
  • LINEやWEBで申し込みやすい
  • 即日対応しているサービスが多い
  • 会社に自分で退職を伝えなくて済む
  • シンプルな退職であれば利用しやすい

デメリット

  • 会社との法律上の交渉はできない
  • 未払い残業代などの請求には対応できない
  • 会社と争いになった場合の代理人にはなれない

民間の退職代行会社が基本的に行えるのは、

「○○さんが退職を希望しています」

「有給休暇を取得したいという希望があります」

など、本人の意思や希望を会社に伝達することです。

一方で、

「退職日をこの日にしてください」
「未払い残業代○万円を支払ってください」
「損害賠償請求には応じません」

と会社と法的な交渉を行うことには注意が必要です。

弁護士ではない者が報酬を受け取って法律事務を扱う行為は、弁護士法上の問題となる可能性があるためです。

そのため民間業者は、

会社と大きなトラブルはなく、とにかく自分の代わりに退職の意思を伝えてほしい人

に向いています。

労働組合系の特徴

退職代行サービスの中には、労働組合そのものが運営しているものや、民間企業と労働組合が連携しているものがあります。

労働組合法では、労働組合の代表者などに、組合員のために使用者と交渉する権限が認められています。

メリット

  • 団体交渉ができる
  • 退職日や有給休暇などについて会社と話し合える場合がある
  • 民間型より対応範囲が広い
  • 弁護士より料金を抑えられるサービスが多い

デメリット

  • 組合への加入が必要になる場合がある
  • 組合費や加入金が必要な場合がある
  • 訴訟など裁判上の代理人にはなれない
  • すべての法律問題を扱えるわけではない

厚生労働省も、使用者が労働組合との団体交渉を正当な理由なく拒むことを「不当労働行為」として禁止していると説明しています。

ただし、

「労働組合なら弁護士と同じことが何でもできる」わけではありません。

たとえば合同労働組合ユニオンジャパン自身も、退職時期や有給消化などの退職関連紛争には対応する一方、裁判になった場合には代理人になれないと案内しています。

会社とのやり取りに不安があり、

「退職意思を伝えるだけでなく、退職日や有休についても話し合ってほしい」

という人には、労働組合系が候補になります。

弁護士系の特徴

法律事務所や弁護士法人が提供している退職代行です。

3タイプの中では対応できる範囲が最も広いのが特徴です。

メリット

  • 会社との法的な交渉ができる
  • 未払い残業代や退職金などの請求に対応できる
  • 損害賠償などのトラブルにも対応できる
  • 必要に応じて労働審判や裁判にも対応できる
  • 複雑な退職でも相談しやすい

デメリット

  • 民間・労働組合系より料金が高くなることが多い
  • 請求や交渉について別料金が必要な場合がある
  • 料金体系が事務所によって大きく異なる

会社との間ですでにトラブルになっていたり、

  • パワハラについて損害賠償を請求したい
  • 未払い残業代を請求したい
  • 会社から損害賠償を請求すると言われている
  • 懲戒処分などの問題がある

という場合には、最初から弁護士に相談した方がよいケースがあります。

単に退職を伝えるだけなら割高になる可能性がありますが、法的トラブルまでまとめて任せられることが最大の強みです。

民間・労働組合・弁護士の料金・対応範囲を比較

3つのタイプの違いを簡単にまとめると、次のようになります。

タイプ 料金の傾向 退職意思の伝達 会社との交渉 裁判など法的対応
民間業者 安め ◎ × ×
労働組合系 比較的安め ◎ ○ ×
弁護士系 高め ◎ ◎ ◎

帝国データバンクが2025年に主要な退職代行事業者を調査したところ、利用料金の平均は約2万9,410円で、弁護士法人は約4万4,700円、民間経営は約2万2,500円でした。

したがって、「民間なら必ず2万円」「弁護士なら必ず5万円」というものではなく、実際の料金はサービスや依頼内容によって異なります。

申し込む前に、基本料金だけでなく追加料金や交渉費用まで確認することが大切です。

どんな人にどの退職代行がおすすめ?

退職代行をしらべてみると、料金の安さだけではなく、自分が会社に何を求めているのかによって選ぶべきタイプが違うことがわかります。

状況から考えるおすすめの退職代行

状況 おすすめのタイプ
とにかく自分の代わりに退職を伝えてほしい 民間業者
費用をできるだけ抑えたい 民間業者
有休や退職日について会社と交渉してほしい 労働組合系
強い引き止めが予想される 労働組合系・弁護士
未払い残業代を請求したい 弁護士
パワハラなどで損害賠償を検討している 弁護士
会社から損害賠償を求められている 弁護士

迷ったときは、

「会社に退職を伝えてもらうだけでいいのか」
「会社との交渉も必要なのか」
「法律問題まで解決したいのか」

という3段階で考えると選びやすくなります。

退職代行を選ぶ際の注意点

1.「弁護士監修」と「弁護士が対応」は違う

退職代行サービスでは「弁護士監修」と書かれていることがあります。

ただし、

弁護士がサービス内容を監修していることと、依頼者の代理人として弁護士が会社と交渉してくれることは別です。

「弁護士監修だから会社との交渉もできる」と判断しないよう注意しましょう。

2.運営主体と交渉できる範囲を確認する

公式サイトで、

  • 運営会社
  • 労働組合との関係
  • 誰が会社と交渉するのか
  • 追加料金
  • 組合加入の有無

などを確認しておくことが重要です。

特に料金だけを見て決めるのではなく、自分が希望している内容まで対応できるかを確認しましょう。

3.「即日対応」と「即日退職」は分けて考える

退職代行では「即日対応」「即日退職可能」という表現をよく見かけます。

しかし、

その日のうちに会社への連絡を開始できることと、その日付で雇用契約そのものが終了することは同じではありません。

有給休暇の利用、会社との合意、雇用契約の種類などによって実際の退職日は変わります。

「明日から会社に行きたくない」という場合には、申し込み前の無料相談で、出社せずに済む可能性と正式な退職日を分けて確認しておくと安心です。

4.口コミだけでなく公式情報も確認する

口コミは利用者の体験を知るうえで参考になりますが、料金やサービス内容は変更されることがあります。

特に退職代行サービスは料金や提携する労働組合などが変更されるケースがあるため、最終的には公式サイトで確認することをおすすめします。

それぞれのタイプで検討したい退職代行サービス

ここからは、実際のサービスをしらべてみます。

退職代行ネルサポ

退職代行ネルサポは、ネルサポート株式会社が運営する退職代行サービスです。

料金の安さが大きな特徴で、公式サイトでは現在、雇用形態にかかわらず**一律15,000円(税込)**と案内されています。

会社には退職の意思を代行して連絡し、その後、本人が退職届を郵送する流れになっています。

詳細

項目 内容
料金(税込) 15,000円
運営 ネルサポート株式会社
即日対応 ○
会社への退職意思の伝達 ○
法律上の交渉 ×
返金保証 ○
転職サポート ○

現在の公式ページでは「弁護士監修」も案内されていますが、弁護士法人が運営している退職代行ではありません。

そのため、

「会社との交渉までは必要ないので、できるだけ安く退職の連絡を任せたい」

という人向きのサービスと考えるとわかりやすいでしょう。

👇 公式サイトはこちら 👇

 

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、民間企業による退職代行と合同労働組合ユニオンジャパンの連携によって退職をサポートするサービスです。

公式LINEでは現在、27,000円(税込)・弁護士監修・労働組合と連携・交渉可・後払い対応などを案内しています。

合同労働組合ユニオンジャパンは、退職時期や有給消化などの退職関連の労働問題について団体交渉を行う労働組合です。

詳細

項目 内容
退職代行料金(税込) 27,000円
労働組合 合同労働組合ユニオンジャパン
即日対応 ○
会社への退職意思の伝達 ○
労働組合による交渉 ○
返金保証 ○
転職支援 ○

労働組合への加入に伴う費用についてはプランによって確認が必要なため、申し込み時に総額を確認しておくと安心です。

民間型よりも費用は上がりますが、

「有給や退職日について会社との話し合いが必要になるかもしれない」

という人には候補になるでしょう。

👇 公式サイトはこちら 👇

 

弁護士法人ガイア

弁護士法人ガイア総合法律事務所が提供する退職代行サービスです。

弁護士による退職代行なので、会社への退職連絡だけでなく、有給消化、離職票・源泉徴収票の取り寄せ、残業代や退職金の請求などについても対応しています。

詳細

項目 内容
退職代行料金(税込) 25,300円~
運営 弁護士法人ガイア総合法律事務所
退職意思の伝達 ○
会社との交渉 ○
残業代などの請求 ○
法的トラブルへの対応 ○
無料相談 ○

料金は依頼内容やプランによって変わるため、現在の正式な費用については申し込み前に見積もりを確認することをおすすめします。

会社との間ですでにトラブルがある場合や、未払い残業代などについても相談したい人には、弁護士運営であることが大きなメリットになります。

👇 公式サイトはこちら 👇

 

結局、退職代行はどこがいい?

3タイプをくらべた結果、誰にでも同じサービスがおすすめというわけではありません。

退職の意思を伝えてもらうだけなら民間業者、会社との交渉まで必要なら労働組合、法律問題まで抱えているなら弁護士という選び方が基本になります。

料金だけで考えると民間業者が魅力的ですが、必要な交渉ができなければ、あとから別の専門家に相談し直すことになる可能性もあります。

反対に、会社とのトラブルがまったくない人が、最初から高額な弁護士サービスを選ぶ必要がない場合もあります。

まずは自分が、

  • 退職を伝えてもらえれば十分なのか
  • 有休や退職日について交渉してほしいのか
  • 残業代やハラスメントなどの問題も解決したいのか

を整理してみましょう。

さいごに

退職代行は、本人に代わって会社に退職の意思を伝えてくれるサービスです。

職場に退職を言い出せず苦しんでいる人にとっては、会社との間に第三者が入るだけでも大きな助けになることがあります。

ただし、退職代行には民間業者・労働組合・弁護士があり、それぞれ対応できる範囲が違います。

安さや知名度だけで決めるのではなく、

「自分の退職にはどこまでの対応が必要なのか」

を考えて選ぶことが大切です。

会社とのトラブルがなければ民間型、交渉が必要になりそうなら労働組合系、法的な問題を抱えているなら弁護士系を候補にすると選びやすくなるでしょう。

なお、料金やサービス内容、労働組合との提携状況などは変更されることがあります。利用する際は、必ず各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。

タイトルとURLをコピーしました