求職活動中に、再就職に有利に働くよう知識や技術を習得できる制度が「公共職業訓練」です。
公共職業訓練には「受講指示」と「受講推薦」という形態がありますが、今回は失業手当の給付残日数が足りない場合の受講形態である「受講推薦」についてしらべてみました。
公共職業訓練
公共職業訓練とは再就職を支援することを目的として、国((独)求職者雇用支援機構)や地方公共団体が行う訓練のことです。
求職者はこれによって就職に必要な技能や知識を身に付けることできます。
公共職業訓練とは?
国((独)求職者雇用支援機構)や地方公共団体では、職業能力開発施設を設置し、あるいは、民間の専門学校などに委託して、主に雇用保険を受給している求職者の方を対象として職業訓練を実施しています。
出典 : 厚生労働省公式サイト
公共職業訓練の講座内容
「公共職業訓練」には各種講座が用意されていますが、その内容は地域により異なるようです。
主な講座には下記のようなものがあります。
- 医療・介護関連
- 簿記・会計
- パソコン(マイクロソフトオフィス・web関連)
- 電機工事・通信工事
- CAD(建築・機械三次元)
- 調理 などなど
受講指示と受講推薦
公共職業訓練の受講形態は、失業手当の給付残日数により「受講指示」「受講推薦」のいずれかになります。
どちらも自己負担は教材費などに限り講習料はかかりません。
受講指示
公共職業訓練の講座開講日に失業手当の給付残日数が一定数残っている人が該当します。
「受講指示」を受けての受講には次のような特典があります。
- 給付制限期間中に受講開始する場合制限が解除される
- 受講期間中は給付が延長される
- 40日間受講手当てがもらえる
- 距離に応じた通所手当てがもらえる(所定の距離に満たない場合はもらえません)
- 受講期間中の求職活動と失業認定が免除される
受講推薦
公共職業訓練の講座開講日に失業手当の給付残日数が所定の日数に足らない場合「受講指示」ではなく「受講推薦」となります。
「受講指示」と違い「受講推薦」で受けられる特典はほぼありません。
- 受講期間中の求職活動は免除されるが、失業認定日にはハローワークに行かなければならない
受講指示を受けられる失業手当の給付残日数
「受講指示」を受けるために必要な失業手当の給付残日数は給付制限の有無により異なります。
所定給付日数 | 給付制限なしの場合 必要残日数 |
給付制限ありの場合 必要残日数 |
90日 | 1日以上 | 31日以上 |
120日 | 1日以上 | 41日以上 |
150日 | 31日以上 | 51日以上 |
180日 | 61日以上 | |
210日 | 71日以上 | |
240日 | 91日以上 | |
270日 | 121日以上 | |
300日 | 151日以上 | |
330日 | 181日以上 | |
360日 | 211日以上 |
公共職業訓練を受講するまで
開講される講座の種類・開講期間の確認
- はじめにどのような口座があるか確認をします。
訓練相談をして受講申込書類をもらう
- ハローワークの訓練相談窓口で申込書類をもらいます。
- 入校選考スケジュール表
- 講座カリキュラム表
- 願書(履歴書のようなもの)
- 公共職業訓練受講に関する確認書2部
受講申込書を提出する
- 受講申し込みのための書類を訓練相談窓口に提出します。
入校選考試験を受ける(筆記試験・面接試験の内容)
- 職業訓練校など指定された会場で入校選考試験を受けます。
筆記試験
- 国語:漢字の書き取り・四文字熟語
- 数学:簡単な計算問題・中学校程度の文章題・図形の問題
- その他:立体の見え方・間違い探し
面接試験
- 何故公共職業訓練を受けようと思ったか
- どんな業種のどのような職種を希望しているか
- 公共職業訓練を受けることで就職にどう役立つと思うか
- 就職ではなく独立を考えたことはないか
- 基本的に休むことはできないが問題ないか
結果通知
- 入校選考試験日から数日後、職業訓練校から封書で合否通知と合格者には以下のような入校案内が届きます。
- 入校案内
- 入校確認書
- 入校に関する誓約書
入校式と入校手続き
- 講義がスタートするまでに訓練コースの受講者が一斉に集まっての入校式があります。
- 入校式終了後ハローワークに出向き「受講指示書」または「受講推薦書」をもらって入校手続きは一段落です。
さいごに
今回は自身の経験を交えながら「公共職業訓練」についてしらべてみました。
受講指示を受けられればもちろんそのメリットは大きいですが、受講推薦であっても授業料を負担することなく専門性のある講義を受けられるのが公共職業訓練だと思います。
地域により若干の違いがあると思いますので、おおまかな流れとして参考程度に見てください。