葬儀の種類には、一般葬、家族葬、一日葬、などなど多くの種類があります。
そんな中で、最近よく耳にするのが近親者だけで行う家族葬です。
今回は、葬儀の主流になりつつある家族葬について、その特徴や他の葬儀との違い、メリット・デメリットなどについてしらべてみました。
家族葬とは
家族葬とは、故人の親しい家族や親族のみを集めて行う葬儀の形式です。
近年、伝統的な大規模な葬儀を避け少人数で静かな葬儀を希望する人々が増えており、そのようなニーズに応じて家族葬が注目されています。
家族葬の特徴
参列者が限られている
家族葬は、一般的に親しい家族や親族、故人と特に親しかった友人など少人数で行われることが多く、参列者数は10人程度が一般的で、場合によってはもっと少ないこともあるようです。
故人を静かに見送ることができる
参列者が少ないため、静かで落ち着いた雰囲気で故人を見送ることができます。
家族や親しい人たちが故人と過ごす最後の時間を大切にすることができます。
宗教儀式が簡略化される場合がある
故人が生前に希望していた儀式があればそれを中心に進めることができます。
そのため、宗教儀式を簡略化したり、宗教的な儀式を行わない場合もあるようです。
家族葬以外の主な葬儀
一般葬
会社の同僚や近所の人々、地域の人々など個人に縁のある多くの参列者を招待し宗教的な儀式を行うことができることが特徴です。
参列者が多いので遺族はその対応が大変だったり、葬儀費用が高額になりがちであったりといった面があります。
- 葬儀の流れ 通夜 ⇒ 告別式 ⇒ 火葬
- 参列者の数 20人程度から場合によっては100人以上
- 費用の目安 100万から200万円程度
一日葬
通夜をせずに告別式と火葬を1日で行うため、遺族や参列者の負担や葬儀費用を軽減できることが特徴です。
喪主や参列者が高齢の場合など体力面での負担を減らせるメリットがありますが、宗教的儀式を重んじる場合には不向きかもしれません。
- 葬儀の流れ 告別式 ⇒ 火葬
- 参列者の数 10人から30人程度
- 費用の目安 40万から80万円程度
直葬
通夜や告別式を省いて火葬のみ行う葬儀の形式です。
通常、火葬炉の前で短時間の読経やお別れをして火葬を行うため、葬儀費用を低く抑えられることが最大の特徴です。
ただし、多くの儀式を省いた葬儀のため故人との最後の時間をゆっくり過ごせないという面があります。
- 葬儀の流れ 火葬(直前に火葬炉の前で読経)
- 参列者の数 10人程度
- 費用の目安 10万から30万円程度
家族葬の良いところ

費用を抑えることができる
家族葬は、規模が小さいため一般的に葬儀費用を抑えることができます。
大規模な葬儀では多くの参列者に対する費用がかかりますが、家族葬ではその負担が少なくて済みます。
- 費用の目安 50万から120万円程度
静かな環境で故人を見送ることができる
家族葬では、親しい人々と静かな雰囲気で故人を見送ることができます。
自分たちのペースで進めることができる
家族葬では、参列者が少ないため葬儀の進行を自分たちのペースで調整することができます。
例えば、葬儀後に会食を行うかどうかなども自由に決めることができます。
参列者を必要以上に気にしなくてよい
他の参列者の態度や行動をあまり気にせずに、故人との最後の時間を過ごすことができます。
親しい人々だけで行うため、気持ちの負担を減らすことができます。
家族葬の気になるところ
故人の社会的なつながりを感じにくい
家族葬では、基本的に親族や親しい友人しか参加しないため、故人の社会的つながりが反映されにくい面があります。
宗教的な儀式が欠けることがある
家族葬では、宗教的な儀式を簡略化したり省略することがあります。
そのため、宗教的な意味合いを重視する場合には向いていない可能性があります。
招待する人が限られてしまう
家族葬では、参列者を制限しているため知り合いや親類であっても参列できない場合があり、その点で不便を感じることもあります。
家族葬はどんな人におすすめか?
家族葬は一般的に以下のような人に向いているようです。
静かな環境で親しい人だけで見送りたい人
規模を大きくするためにあまり付き合いのない人まで来てもらうのではなく、静かな環境で親族や親しい友人のみで最後の別れをしたいと考える人には家族葬が最適です。
宗教儀式にこだわりがない人
宗教的な儀式に強いこだわりがない場合、家族葬であればそういったことを省いて故人の意向に沿った葬儀を行いやすくなります。
費用を抑えたい人
通夜や告別式など必要最低限の儀式は行いながらも、できるだけ費用を抑えた葬儀にしたいと考える人にはとって家族葬は適しています。
さいごに
家族葬は近親者だけで静かに故人を見送る葬儀の形です。
コロナ禍を契機に近年その人気が高まっている形式であり、費用を抑えて故人をより親しい人だけで静かに見送ることができるという魅力があります。
一般葬や一日葬などほかの葬儀との違いも考慮しなくてはなりませんが、核家族化が進み近所との係わりも希薄になった現代において、今後ますます増えていく葬儀形式かもしれません。

